コロコロコミックが小学校に授業に来た!マンガで勉強ができるって本当??

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学校でマンガの勉強⁉そんな驚きの授業が2024年12月16日に渋谷区立神宮前小学校で開催されました。ドクターコバ(『コロコロコミック』コミック副編集長 『コロコロコミック研究所』 所長 小林浩一さん)が小学生2年生・4年生に向けて授業を行い、スペシャルゲストとして漫画家の池田亮先生も登場。どんな授業だったのかレポートします!

なろうぜ!!マンガマスター

コロコロコミックについてなんでも知っているドクターコバ(小林さん)から、まず最初に配られたのはマンガにまつわるクイズのリスト。クリアするとなんとマンガマスター認定証が手に入るんです。

子どもたちからは意外と難しいとの声が続出。ルーブル美術館で漫画が芸術として認められているなど私も知らない問題がありびっくりしました。

難しいながらも一生懸命に考える子どもたち。出されたクイズに一生懸命手を上げます。会場もヒートアップ。

マンガを使ってお勉強?

クイズリストの最後に「勉強」の2文字が!

マンガを使って勉強に挑戦です!!この授業では『ギャグ習まんが 正しいことわざどっち辞典』を使ってことわざを勉強しました。

単に丸暗記ではなく使い方やイメージと一緒に覚えることができて、楽しみながらみんなでレベルアップ!

マンガについて知った後は四コママンガの製作に挑戦!

最後は「学校であったことを4コママンガにしてみよう」というテーマで実際に自分たちでマンガを書いてみます。

真剣にマンガを描く子どもたち。

どんどん描き進める子もいれば、わからず一生懸命悩む子の姿も。

早く終わった子は先に池田先生に原稿を見てもらったり。

熱中していたため延長し時間の許す限りマンガ作成時間に取り組みました。

さてお待ちかねのプロの池田先生の作成タイムです。

わぉ、こんな一瞬でサラサラ描けるなんて…

さすがプロ!!!!!

大スクリーンに映し出された様子に目がくぎ付け!!

下書きもなくスラスラと描く様子は迫力満点でした。

実際にやってみてどうだった⁉

本企画に携わった方からコメントも頂けたので、ご紹介します!

『コロコロコミック』コミック副編集長『コロコロコミック研究所』 所長 
小林浩一さん

ーー今日の授業を見ていてこどもたちにマンガ家や編集者を志すきっかけになりうる授業だなと思ったのですが、小林さんが編集者を目指したきっかけをお伺いしたいです。

学生時代に小説を書いていて、プロの小説家になろうって思っていました。でも、小説家にはなれず、小説家に一番近い出版社で働こうと思い編集者になりました。マンガも本もずっと読んできた、映画も見てきたのでそういう自分の蓄積が生かせる仕事です。

ーー授業をした感想を教えてください!

実はコロコロのツアーやイベントを通して小学生と話をすることがあります。そこで読者の顔をイメージしながらマンガを作っています。ですが、授業形式としては初めてだったのでやってよかったと思っています。

ーーどういう部分をやってよかったと感じていますか?

子どもって正直で、つまらなかったらそっぽを向いてしまいます。でも今回は45分×2コマの長時間ながらも集中してくれたり、特にマンガを作る部分を一生懸命していたなという印象でした。あのように熱中してくれている瞬間を見ると、このために仕事してるなと思います。マンガを通して自分が考えていることを人に伝えるということを一緒にできた実感があることも嬉しいです。

ーー今日の授業をどんな様に捉えてもらいたいですか?

マンガを作った体験を大切にしてほしいです。マンガは表現の1つの手段でしかないので、マンガを作る体験を通じて日常生活について改めて考えたこと、それは将来生きてほしいと思います。このユニークな体験を授業でやることは中々ありません。「マンガ」と聞くとプロが作るもの、ハードルが高いものだと思い込んでしまうこともあると思います。マンガは面白くなければいけない、人を笑わせなければと思ってしまいますが、いきなりそんな風には書けません。野球でもいきなりバットを振ってもホームランにもならずバットにも当たらない。でも今回のように自分でもマンガを作れるという体験や、自分の学校生活がもうマンガの元になっていることは覚えていて欲しいです。

マンガ家 池田亮先生

ーー子どもが描いたマンガをライブで描く瞬間を見れたこと、子ども達がそれに夢中だったことがとても印象的だったのですが実際やってみてどうでしたか?

先に描き終わった子が見せに来てくれたり、実際にピックアップして描いた後は喜んでくれたり、とても楽しかったです。ですが沢山のマンガから僕が描くものを選ぶ際は本当に時間が無かったので欲を言えば全部にじっくり目を通したかったです。子どもの描くマンガはいい意味で純粋だなとも思いました。僕がこれだけ描いていると意外性を考えてしまうのですが、本当に初めて描いた子どもたちだから素直な日常を描いていて、新鮮というか、かわいいなと思いました。

ーー子どもたちのマンガ作成を通して、幼い頃の自分と何かリンクするものはありましたか?

僕が小さい頃は好きなマンガの番外編を描いていました。なので内容のリンクというより、今は綺麗に描かなければと思っているので、子どもの絵の描き方に懐かしさを感じました。

ーー子どもたちに何かメッセージはありますか?

自分の一番好きなことを大人になるまでずっと続けてほしいと思います。僕は小さい頃から絵を描くことが好きで、ずっとそれを唯一続けてることでそれを仕事に出来ました。運動とかは苦手で諦めてきたのですが、将来に絶対役に立つと思うので好きなことを小さい頃からずっとやってきて良かったと思います。

神宮前小学校校長 加藤康弘先生

ーー私が小学生の頃はこのような授業は無かったなと思いとても受けてみたかったなと思うのですが、探求の授業に関してどういう気持ちで行っていますか?

学校だけでは、子どもたちの身に付けたい力を十分にはつけられません。教師の知っている範囲でしか教えることはできないので、このように学校外の専門家の方の話を聞いたり、体験することでひとりひとりの持っている個性を伸ばせると考えています。もしかしたら、今日の授業を通してマンガ家になる子がいるかもしれない。そういう芽を育てられるチャンスになると思います。

ーーこのような授業を通して何か子どもたちに変化はありましたか?

教科書だと必ず答えがあるのですが、探求の授業では答えが無いので自分で考える必要があります。自分の考えで勉強を進めていける楽しさに気付いている子達がいます。

ーー今日のマンガの授業を通して、子どもたちにどんな学びがあれば良いなと思いますか?

マンガを通して自分の思いを表現するという学びがあったと思っています。なので表現力を鍛えることができたかなと。一般的にはプレゼンやパワーポイントが流行っていますが、起承転結を考える4コママンガも表現方法の1つですね。

編集後記

シンプルに私もこんな授業があったらいいなという思いで一緒に授業に参加させてもらいました!授業に夢中になっている子どもの姿がとても印象的でした。また、この授業を担当された先生が「最近本を読まなくなっている」と仰っていた事にとても驚きました。私の小中学生の頃は沢山本を読んだ記憶があります。今では私も読書量が減り電子機器を見て過ごす時間が増えてしまったのですが、今の小学生でもタブレットに費やす時間が増えているんだなと…

今回表現方法としてマンガを学ぶことは本当に良いことだなとも思いました!大学時代に留学を経験した中でも、授業中わからないワードでも絵にすると伝わる事がありました。特に大学最後の一年間では伝えること、伝え方の大切さを学んだ一年だったなという思いがあるので私も引き続き「自己表現」には磨きをかけていきたいなと思います!!

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