原宿にひらかれた、新しい文化の拠点──CCBTリニューアルが意味するもの

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渋谷から原宿へ。シビック・クリエイティブ・ベース東京(CCBT、以下:CCBT)が、拠点を原宿に移し、リニューアルオープンしました。

今回の動きは、単なる場所の移転ではありません。CCBTは原宿という街の中で、「これからの文化拠点」「都市のコモンズ」として、あらためて立ち上がろうとしています。

渋谷新聞、原宿表参道新聞では、CCBTの渋谷から原宿への移転を、全3本の記事でお届けする予定です。

原宿で「社会実験」をするという選択

CCBTクリエイティブディレクターの小川秀明氏は、CCBTの役割を次のように語っています。

「東京に、社会実験を起こしていく」

この言葉は、原宿という街の文脈と強く重なります。
原宿は、完成された文化を受け取る場所ではなく、ストリートから新しい表現や価値観が生まれ、試され、広がってきた街です。

CCBTがここ原宿で目指すのは、アートを“展示する”ことではなく、アーティストとともに未来を構想し、そのプロセス自体を街に開いていくこと。
創作や実験が、原宿の日常と地続きで存在する状態です。

見る場所から、関わる場所へ

CCBTは、自らを「文化拠点」であり、「これからのコモンズ」だと位置づけています。
それは、限られた人だけのための施設ではありません。

街を歩く人、働く人、暮らす人。
専門家でなくても、何かをつくる予定がなくても、
ふと立ち寄り、触れ、考えることができる場所。

原宿表参道という多様な人が交差するエリアだからこそ、
「見るだけの文化」から「関わる文化」へと重心を移すCCBTの姿勢は、街に自然に馴染みます。

「移転」ではなく「リニューアル」という言葉に込められたもの

今回のCCBTについて、関係者が繰り返し使った言葉が「リニューアル」です。
それは、単に新しい建物に入ったという意味ではありません。

目指しているのは、「シビック・クリエイティブ」の実現。
市民(Civic)と創造性(Creative)を切り離さず、社会の中で実装していくことです。

観光客、学生、地域の事業者、クリエイター。
さまざまな立場の人が行き交う原宿という街は、その実践のフィールドとして選ばれました。

原宿から、都市の次の風景へ

リニューアルしたCCBTでは、SIDE COREによる特別展「新道路」や、音をテーマにしたプロジェクト「Sound Atlas」、誰もが都市を“画材”として扱えるツール「Urban Ink」など、都市との新しい関わり方を提示する取り組みが始まっています。

これらは、原宿の中だけで完結するものではありません。
原宿を起点に、他の街、他の文脈へとつながっていく“回路”をつくる試みです。

原宿の日常に組み込まれていくCCBTへ

CCBTのリニューアルは、街を一気に変える派手な出来事ではありません。
むしろ、原宿の日常のすぐ隣に入り込み、少しずつ存在感を増していくタイプの変化です。

買い物や仕事の合間に立ち寄る場所として。
まだ言葉にならない違和感や興味を、試せる場所として。

原宿という街の中で、CCBTは「創造性が自然に立ち上がるための土壌」になろうとしています。
その変化は、これからの原宿の風景の一部として、静かに、しかし確実に広がっていきそうです。

◾️CCBT(シビック・クリエイティブ・ベース東京)
住所:東京都渋谷区神宮前1-14-4 1/1(ONE) HARAJUKU “K” B1・3F
(2025年12月13日に東京都渋谷区宇田川町3-1 渋谷東武ホテル地下2階から移転)
営業時間:火〜日曜日 13:00〜19:00
定休日:月曜日(祝日の場合は開館し、翌平日が休館)
年末年始や保守期間など、その他の臨時休館がある場合もあります
シビック・クリエイティブ・ベース東京[CCBT]公式サイト

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