街路灯から、神宮前二丁目をアートの街に!! 神宮前二丁目商和会 ロレンツォさん

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国立競技場と、原宿の間に位置する神宮前二丁目。こじんまりとした地域ながらも、バーや古着屋など、個性豊かな店が立ち並び、にぎやかな街でもあります。

そんな神宮前二丁目の街路灯に目を向けると、ひとつひとつに展示ケースが設けられ、様々なアート作品が展示されています。そう、この街の街路灯一つひとつは、小さなアートギャラリーとなっており、“Jinny Street Gallery”として街に色どりを与えています。

そんな“Jinny Street Gallery”を立ち上げたのが、神宮前二丁目商和会で活動するイタリア人でキュレーターのロレンツォさん。

この記事では、街路灯をアートの場に変えた理由や、イタリア人であるロレンツォさんが神宮前二丁目で活動する意味をインタビューしました!

街にアートがある事の魅力

ロレンツォさんは、2017年に来日。幼少期からイタリアで芸術に触れてきて、日本に住み始めてからはカメラを趣味として、日本の日常を収めてきました。過去には東京の街で自身の写真の展示を行うなど、積極的に活動を行ってきました。

神宮前に縁ができたのは3年前。街を歩くなかで神宮前にある街路灯に目をつけ、ジョージア人のトトさんと2人で立ち上げたのが“Jinny Street Gallery”でした。
「4年ほど前、中野駅のガード下で自分の写真を展示したことがありました。その時、アートをギャラリーではなく、街に展示することの魅力を感じました。街に展示することで、普段アートに触れる機会の少ない人にも作品が届く。ギャラリーとは真逆のような考えなんです。街は誰にとってもアートの門戸が開いていて、『こういう表現があるんだよ』と自然に感じてもらえる空間だと思いました。そんな経験から、そんな空間を神宮前二丁目にもつくりたいと思い、この“Jinny Street Gallery”を立ち上げました」

「普段は、写真を通じて生まれたつながりや、地元で出会ったコミュニティを通して、ひとつのテーマにつき2週間程度作品を展示し続けています。例えば、アーティストのKITTYZILLAさんと、地域と猫をテーマにした展示を行ったり、小杉湯原宿とコラボして銭湯をテーマにした展示を行ったりしてきました。このプロジェクトを通して、アーティストから地元の人々まで、様々な繋がりが増えました」

▲時には街路灯を飛び出した立体的な作品も展示される
▲KITTYZILLAさんによる作品

街の街路灯をアートの場へと昇華させ、地域とアートの可能性を広げてきたロレンツォさん。“Jinny Street Gallery”を通して、何を感じ、どうなることを目指しているのでしょうか。

「神宮前二丁目は原宿や表参道に囲まれた場所にあり、それぞれの街が時代によって変化しながら個性とイメージを作ってきたと思います。かつて、表参道が歩行者天国から若者の流行を作り上げたように、神宮前二丁目はアートの街にしていきたいです。アートは人生を豊かにしてくれる。せわしない日常の中、街にアートがあると拠り所になったり、繋がりが生まれたりします。これからも街路灯以外にも街にギャラリーを増やしていきたいですね」

日本の居場所を探して出会った、神宮前二丁目商和会

“Jinny Street Gallery”は、ロレンツォさんが街路灯をうまく使えないかと、神宮前二丁目商和会に訪ねた事がきっかけで始まりました。

商店街という存在は、日本特有の小さな地域コミュニティ。そこにイタリアから来たロレンツォさんが関わっていることは、正直ちょっと不思議な事です。

「なかなか商店街に外国人がいることって無いですよね(笑)。でも、自分にとっては、日本での居場所が欲しかったんです。外国人がビジネスや自分の分野で日本で羽を広げる事はできても、『地元』と呼べるような場所をつくるのは難しい。だからこそ、街に関わりたいと思い、神宮前二丁目商和会に参加するようになりました。いざ入ってみると、商店街というすごく温かいコミュニティがそこには開いていて、この街に自分が還元していきたいなという想いが生まれました」

「神宮前二丁目商和会は、すごくポジティブで前向きな商店街だと感じます。“Jinny Street Gallery”もそうですし、毎年、歩行者天国にして開催されるピープルデザインストリ-トというイベントや、オリジナルのレモンサワーなど様々な取り組みを行っています。原宿の近くにあるのに、人が近くて、日々気持ちよく過ごすことができているのは、そうした雰囲気があるからだと思います」

神宮前二丁目から、アートのカルチャーを。

“Jinny Street Gallery”を通して、日本で居場所を見つけ、街でのアート活動を続けてきたロレンツォさん。最後に自身の活動と神宮前二丁目のあり方をお聞きしました。

「原宿や表参道って、大きい街だからこそゆっくりくつろげる場所は少ないと思うんです。でも、神宮前二丁目まで歩いてくると“地元感”が強くて、人が優しい。日々が気持ちよく過ごせる場所なんですよね。一言で表すと“家”のような場所です。そんな街にアートというカルチャーを根付かせていきたいと思っています。アートをきっかけに神宮前二丁目に来てほしいし、日本の中でも、アートの街っていう位置づけができていけたらとても嬉しいなって思います」

「そして、カルチャーを作るためにも、これから街に関わる人を増やしていきたいです。今の“Jinny Street Gallery”は私たちを中心に活動していますが、その活動にたくさんの人が巻き込まれて、自然とアートな取り組みがずっと続いてゆけば、それはカルチャーになるんだと思います」
神宮前二丁目=アートの街にしたいという、ロレンツォさんの強い思いがありました。

▲Jinny Street Galleryを観に商店街に集まる人々。アートの街は徐々に根付き始めているようだ。

「神宮前二丁目商店街は、街のプラットフォームとなることを目指しています。商店街ってもともと、そこに商店を持つ人たちの集まりでしたけど、最近では商店を持つ人が減っていて、賃貸になったり、家賃を払って店をやっている人などが増えています。商店主だけでなく、街に関わる様々な人が活動できる受け皿になるという意味で、プラットフォームを目指しています。
ロレンツォさんの活動のように、商店街の命令や決定ではなく、商店街に関わる人が地域でやりたい事をやれる場所にしていきたいです」

最後にそう答えるのは、ロレンツォさんのインタビューに同席した、神宮前二丁目商店街 会長の沢辺さん。 
地域やまちのつながりが薄まり、後継者問題を抱える日本の商店街。”Jinny Street Gallery”と神宮前二丁目商店街のあり方は、現代の商店街と地域の、新たな在り方なのかもしれません。

◾️Jinny Street Galleryはこちらから
https://www.jinnystreetgallery.com/about

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