「第24回 表参道コレクション」BEYOND THE ICON ── 原宿・表参道の美容師たちと次なる「美」の風景

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第24回を迎えた原宿・表参道を拠点とするヘアサロンが参加する、国内最大級のヘアショー「表参道コレクション」。今年も2025年9月30日に国立代々木競技場第二体育館で開催されました。観客数は約2700名。美容学生が全体の半数を占め、残りは国内外の美容師や関係者が集まりました。このイベントのために韓国や中国などから来日するオーディエンスもいるんですって!国境を越えて共有される「美」、ステージが始まる前から、会場全体が高揚した空気に包まれ、これから始まるヘアショーに期待が高まります。
照明が落ち、音楽が響き、観客の視線が一点に集まる瞬間、美容師たちが描き出す世界は、単なるヘアショーを超えたクリエイションの発表の場。表参道という街が持つヘアサロン業界を長年牽引してきた創造の力が、ステージに溢れていました。

テーマは「BEYOND THE ICON」

今年のテーマは「BEYOND THE ICON」。象徴を超え、時代の先を見据える挑戦です。参加サロンは14店舗。各店舗それぞれがサロンを代表するスタイリストがステージに登場します。ライブ演奏、スモーク、各サロンの趣向を凝らした演出は見ごたえたっぷり。会場の真ん中に設置されたステージにはモデルが登場し、ライブでヘアカットが行われます。カラフルな髪の毛がステージ上に散っていく様子はとても美しく、同時に儚くもあり観るものを惹きつけます。

▲美術館の絵画を覗き見るような構成の【ANTI】
▲【Of HAIR】は「環境問題」をテーマに、衣装には廃材などを使用し強いメッセージを表現

街と共に変わる「美」

明治神宮へと連なる欅並木が象徴的な原宿表参道は、流行を生み出すだけでなく、美容・ファッション・アート・食といったカルチャーが共鳴しあう場所。最新のファッションやライフスタイルを世界に発信しつづける街です。
「表参道コレクション」は、そうした日常の延長にある創造の場でした。

ステージに立つ美容師たちは、培った感性をそのまま舞台に持ち込みます。
そこには、髪をとおして人と向き合う姿勢や、街で生まれるリアルなエネルギーが感じられます。
観客の中には美容学生や一般の来場者も多く、普段サロンで見る「技」の背景にある思いや世界観を間近で感じているようでした。

▲開会の挨拶をする今井実行委員長と各サロンの代表

実行委員長の今井英夫氏(株式会社イマイ・インセンティブ会長)は開会の挨拶で「表参道は常に変わり続ける街です。だからこそ、ここで活動する美容師も変化を恐れず、未来を創り出す存在でありたいです」と語りました。

その言葉の通り、今回のイベントは過去を振り返るためではなく、これからを見据えるための時間でした。
テーマ「BEYOND THE ICON」には、象徴を超え、まだ見ぬ新しい価値を探していこうという思いが込められています。

来年は25周年を迎える本イベント。四半世紀にわたって積み重ねられてきた表現の軌跡が、どのように結実していくのか期待が高まります。街の変化とともに歩んできたこのイベントが、次の時代にどんな景色を見せてくれるのか。
美容師たちと、それを見つめる人々が一緒に育てていく場として、これからも楽しみです。

▲照明と音楽が融合し、各サロンの世界観が鮮やかに立ち上がる。【PEEK-A-BOO】
▲髪の一本一本に宿る意志。造形そのものが物語を語る。【TONI&GUY】

街と共に変わる「表現」──そして未来へ

▲【BLANCO】ヘアスタイルとは何なのか?既成概念には収まらないような世界観。

「表参道コレクション」はつくり手と受け手、その両方が一緒に呼吸していることを感じさせるイベントでした。ヘアスタイルが、ただ「髪の形」以上ものものを表現していることに驚くと共に、日常の先にある“表現”が、これからどんなかたちで街の景色を変えていくのか。
その続きをまた来年、同じ場所で見られることが楽しみです。

出演サロン
ACQUA/ANTI/BEAUTRIUM・CIRCUS by BEAUTRIUM/BLANCO/Dab/Double & SONS/imaii/kakimoto arms/MINX/Of HAIR/PEEK-A-BOO/TONI&GUY/Violet/ZA/ZA

撮影:表参道コレクション、伊藤ノリコ

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