どんな活動も全力で取り組む 渋谷区神宮前小学校PTA会長 山田裕介さん

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「悩むんだったらワクワクする方に行った方がいい」そう語るのは長年グローバル企業に務め人事のポジションで大活躍しつつ、今年の3月まで渋谷区立小学校PTA連合会会長をされていた渋谷区神宮前小学校PTA会長の山田裕介さん。今回山田さんには、渋谷区の小学校のPTA会長という役職についてや、原宿表参道エリアの魅力についてお話を伺いました。

大学時代から組織に興味を持ち、人事の道へ

ーー山田さんのキャリアを教えてください

「大学時代にアルバイトをしていたGAPJAPAN株式会社に入社して、小売店のマネジメントを経験しました。以降、Apple Inc.で販売・営業、その後H&M Japan株式会社の日本立ち上げメンバーとして2007年に入社しました。2008年に日本に初めてH&Mの店舗がオープンした際には、日本の人事責任者として人事業務全般をリードしました。2018年からWalmart Japan/株式会社西友を経て、2022年1月よりITソフトウェアベンターであるAvePoint Japan株式会社のVicePresidentとして勤務した後、今年の4月からアサヒグループジャパン株式会社の人事部長をしております」

ーー学生時代はどんな学生でしたか?

「今と心は変わってないです(笑)インターハイにも出るようなバスケ少年でした。生徒会をやるなど前に出るタイプでしたね。大学時代からGAPでアルバイトをしていて、店舗マネジメントをやっていく上で組織運営に興味を持ち、今の人事という仕事に繋がっています。

出身は大阪で、渋谷に関わり出したのはH&Mに入社したタイミングなので2007年です」

PTAはある意味サードプレイス

ーPTAはどんな組織ですか?

「parent‐teacher associationの頭文字を取ってPTA。親と先生が地域社会と連携するための組織です。個人的にはPTACにして地域のCも付けて欲しいと思っています。歴史を辿ると、日本のPTAは第二次世界大戦後に生まれています。アメリカでは地元の有力者や、幼少期にその土地で育った人が恩返しという形でPTAになるケースが多いです。仕事でアメリカの方と話すときPTAの話題を出すと話が盛り上がることが良くあります」

「渋谷という土地柄でいうと、渋谷はとても目立つことが多いので企業や有名人などから色々な活動の話をいただくことが多いです。渋谷は恵まれています。幼少期にいい刺激を受けることができ、かつ喜んでもらえる。子どもたちにとってはとても良い機会です。学校が提供するだけではしきれない部分を担っています」

ー思い出に残っているエピソードはありますか?

「長女が小学校2年生の時からPTA会長をやっているのですが、長女たちの代が6年生になったときの卒業式。PTA会長も5年目なのでいつも通り祝辞を読もうとしたら、号泣してしまったんです。舞台に立った時に見える子どもたちが全員自分の子どものように感じてしまって。用意していた祝辞の原稿を置いて、その時に感じた感情をそのまま祝辞にしました。コロナ渦の2年半は子どもたちに会えなかったんですけど、子どもの成長は本当に驚くばかりでまるでタイムマシンに乗った気分になります」

ーー愛ですね。魅力的です

「学校や職場ってみんな立場が同じなんですけど、PTAは親であることが共通点としてあるだけでとてもダイバーシティ&インクルージョンな世界なんですよ。本当に色々な方々がいて心地よいです。そういった意味では、PTAはサードプレイスになっています。時間は費やしているんですけど、活動で自分もチャージされています」

ーー今後、やっていきたいことはありますか?

「明確にあって、渋谷区の小学校にあるシブヤ未来科の探求授業をもっと推進していきたいですね。日本でビジネスするだけでは危険すぎます。今は海外を意識する時代だと考えています。海外の方と比べると日本は圧倒的に探求力や課題発見、課題解決、ゼロイチ能力が弱いですね。今までは軍事的世界観だったのが、これからは冒険的世界観が大切になってきます」

「道がないところに道を作ることを、シブヤ未来科の探求授業なら叶えられます。ただ新しいことをするのにはリスクも発生するので、PTAは何かにチャレンジした時、保護者と教師の間にうまく入って力になっていきたいと思っています。日本から勝つことを目指すために、シブヤ未来科をさらに具体化して提言していきたいです。渋谷は進め方次第で、企業もスポーツもアートなども巻き込むことができます」

「過去に『もしもフェス渋谷』の一環で、防災の文脈で、夜の小学校に泊まるという企画をやったんですよね。体育館で寝たり、非常食ブッフェとしてみんなで非常食を食べたりして。そいういイベントを通して防災に関する正しい知識を身につけてもらうものなのですが、こういった地域との連携もやっていきたいですね」

原宿・表参道はハイブリッドな街です

ーー原宿・表参道エリアはどんな街ですか?

「原宿=カワイイなどありますが、どんどん新しいものが生まれるトライ&エラーの街だと思います。一方で、昔からある服屋さんやご飯屋さんなども目立ち、古き良きところがあるのも原宿です。非常に歴史を大事にしています」

「地域の人と話していると、外観上は変わっても変わらないものはたくさんあることが分かります。例えば、人の思いとかはとても強くて、想い出と新しいものが融合するハイブリッドな街だと思います。とても好きな街です」

ーー原宿・表参道エリアの課題はありますか?

「色々な情報が入ってくる街なのできちんとキュレーションが必要なのかなと思っています。歴史のある街、特に渋谷や原宿・表参道は独特な原理原則みたいなものが存在する場合があるので、新しいものをやるときにはそういう思想も大事にしつつ、うまくコミュニケーションを取ることが大切です。チャレンジする機会がもっとあると嬉しいです」

「人の入れ替わりも結構あるんですよね。人が定着してくれるともっといいなと思います。なのでみなさんゴミ拾いをしましょう!(笑)ゴミを拾うとその地域にゴミを捨てられなくなりますよね。地元の活動に参加してもらって興味を持ってもらって好きになってもらう。それが定着に繋がると考えています」

あるべき論で進まなくていい

ーー人事部長ということもあり、若者にメッセージをお願いします!

「好きなことや将来やりたいこと、求められるかもしれませんがなくてもいいと思います。逆にプレッシャーになってしまうので。みんな知らないことが多すぎるのでむしろ全力でやるにしても今色々なことをやってみるのがいいかと思います。転職ももちろん前向きに考えていいと思います。どんどんやりながらワクワクを見つけてください」

「人生は選択の連続です。後悔しないように主体的にやること、迷ったらやること、悩むんだったらワクワクする方に進んでください!」

ーーありがとうございます!とても貴重なお話でした

「こちらこそありがとうございました」

原宿・表参道新聞のアドバイザーにも入ってくださっている山田裕介さん。お仕事にPTA活動にお忙しい中、今回はオンラインで取材を受けてくださいました。写真は後日撮影させていただきました。原宿・表参道をはじめ渋谷区の地域の活動に愛を持って取り組んでいる姿を見て、もっと原宿・表参道新聞をより良いものにしていきたいと感じました。

▪️山田裕介
大学卒業後、GAP JAPAN株式会社に入社して、小売店のマネジメント業務に携わる。 その後、Apple Inc.にて同社製品の販売・営業を担当。さらにH&M Japan株式会社の日本立ち上げメンバーとして2007年入社、日本の人事責任者として人事業務全般をリード。2018年からWalmart Japan/株式会社西友を経て、2022年からITソフトウエアベンダーであるAvePoint Japan株式会社のVice President、2024年3月よりアサヒグループジャパン人事部長として現職に至る。また中学校2年生と小学校3年生の父親であり、PTA会長6年、渋谷区立小学校PTA連合会の会長3期をつとめた。

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